JS BAR

バーでの独り言

日本は最初から後進国であった

いつ勘違いしたのだろうか。日本人が日本という国を過大評価してしまったのは、

あなたが勉強してきた教科書で数学や理科などの理系的な科目の体系はヨーロッパやアメリカが作り上げてきた学問の成果である。文明社会の基礎はやっぱり西洋の人たちが築いてきた。東洋はそこまで発展しなかったのである。また音楽などの芸術も同様である。現在、クラシックと呼ばれるジャンルは西洋が中心なのだ。

戦後の経済成長は我々に自信を与えてくれた。それは事実である。日本人というアイデンティティを確立することができたのだ。しかし、西洋文明の恩恵を受けたことであり、日本人が作り上げた文明ではないのだ。

今、経済成長が停滞し、GDPが年々落ちているが、日本が世界の先端ではないという証拠である。つまりバブルが終わってから我々は何も進化していなかったのだ。

最近のアニメの転生ブームを見ると、日本人は精神性は戦前から強く保持していたのだと思う。魂の存在も戦前では当たり前のように確信していた。戦後、大事な精神性を壊したことで、日本は一緒の根無草となってしまったような気がする。

私は個人的にスピリチュアルなことに大変関心があるが、人には話さないようにしている。やはりこの国はもう精神性を語る土壌はない。人はなぜ生きているのかといった根源的な悩みを解消する哲学や宗教を持つ者は少ない。

日本が曲がり角に来ているが、それは日本人がもう今までのやり方では生きて行くことができない証拠なのだ。これから起こることは我々の心の変革であろう。それは今までの価値観を捨てることでもある。それはとてつもなく苦しいプロセスのように感じるが、実際は若い人はもう気がついている。私の世代のような日本が勘違いした世代には辛いのである。

物質文明という言い方はもう古臭い言い方であるが、それでも敢えて言えば、物に執着する生き方を我々は捨てなければいけなくなってしまったのだ。しかし、それは世代的にはかなり先になるだろう。

若い人は日本に期待していないし、日本が偉大な国だとは思っていない。冷静に自分の国を見ている。東洋の一国家として見ているのだ。だから、この国が衰退していることに驚きはない。

よく政治が悪いとか国民が悪いというが、私はそんなことはないと思う。敢えて言えば日本が豊かになったことでホッとしているのだ。それがしばらく続くのは仕方ない。昭和はやはり不衛生なトイレの匂いと汚い家屋とビル、タバコの匂いが充満していたからである。

小さい頃を思い出すと街が汚かったのは当たり前であった。その頃に比べれば街は綺麗になり、人々は衛生的になった。しかし、心はまだ昭和のままである。

最近、日本人はそれほど親切でも優しくもないという意見が出てきているが、私もそう思う。弱い人への態度が優しくない。負けた人間に対しての忌避は強い。戦国時代の名残であろうか。勝軍についていくことを余儀なくされたからであろうか。

これから日本は衰退するだろう。論理的な考え方や独立心が足りない国民性が強いからだ。情緒的でお上に依存する気質である。そういう国家が世界の激しい頭脳戦に勝てるとは思えないし、そもそも勝とうなんて思ってもないからだ。

衰退し地位は低下するだろう。それを見ることになるだろう。

生きるということは時代の目撃者であり、そこを舞台とした俳優でもある。読者も今生きている全ての者も経験するこの人生は日本という国がこれから苦難の道に進むことは理解していると思う。

生きていれば最低限のエゴは持たなかればいけない。どんな時代であっても生きている以上その世界その時間においてサバイバルしなければいけないのだ。どんな理不尽な世界であろうとそこで煩悩を満たすために活動しなければいけないのだ。そこを放棄することは生まれることを放棄することと同じである。だからいくら抽象的なことを書いても話をしても意味はないかもしれない。しかし、それでもこの日本の衰退を回避できればと思う。